【文芸時評】9月号 仏文学者・鹿島茂 「ダラダラ文」の夢

「最近、文芸時評やってるそうですけど、純文学雑誌と小説雑誌とは具体的にどういうところがちがうんですか?」「いや、それは思っているよりも簡単なことで、純文学雑誌、とくに若い男性作家の書く小説ってのは、段落もなければ句読点もなく、会話も地の文もダラダラと続くというところに特徴があります。この条件さえクリアできれば純文学雑誌に載ります」「本当ですか!?」「本当です。試しに『文学界』と『新潮』を開いてみてください」