本の売上高予測し融資、みずほ銀が新システム

みずほ銀行は、過去2年以内に発売された小説を中心とする書籍から、新聞広告を出すなど一定の広告費がかけられた106作品を抽出。作品内容と売上高や広告宣伝費の関係を詳細に分析して、売上高の予測システムを開発した。新システムの作品評価項目は、物語の展開や舞台設定など141項目におよぶ。

いろいろな意味で、おもしろいなぁ。
このシステムを使って、「売り上げが高い」と予測された要素を含んだ作品を複数の作家で競作するというのはどうだろうか(いや、たぶん、「作者が誰か」というのも141の評価項目の1つなんだろうけど)。

 よろしい! あてにならない人間の作家たちは、上はホルヘ・ルイス・ボルヘスから下は締切りを守らず・プロットを創ることもできず・性器の描写と盗作が売り物のわたしのような作家に至るまで、コムピューターによって駆逐されるだろう。
 もちろん、あてずっぽうの批評家たちも厳密な解析力と厖大な情報をインプットし百五十六の国語と七百七十一の方言を自在に使用する批評コムピューターに席を譲り、きまぐれな読者のかわりに、誠実で想像力に富んだ読者コムピューターが登場するだろう。
高橋源一郎ジョン・レノン対火星人』(講談社文芸文庫/P.72)