同人誌とDTP

ノブさんのエントリや、リンク先などを読んで思ったこと。
コメント欄に書き込もうと思ったんですが、ちょっと長めなのと、微妙に話がずれているような気がしたので、自分のところで書くことにしました。
結局のところ、「個人が商業誌とクオリティの変わらない出版物を出す」の基準をどのレベルに設定するのかという問題なのかなぁと思います。
例えば、WindowsのWordで作成した同人誌をオフセット印刷で作成することは可能ですが、「文字組み」の自由度・厳密さを考えると、Adobe InDesign*1には到底及びません。使用するフォントについても、MS明朝でも問題ないという人もいれば、モリサワ*2を使いたいという人もいるでしょう。
モリサワOpenTypeフォントの価格は、以下を参照してください。

今回の同人誌の本文では、Mac OS Xに付属しているヒラギノ書体しか使いません(付属書体は以下のリンク先と同じものです)。

これらのフォントは市販されており、商業印刷にも使用されていますから、その意味では「商業誌とクオリティの変わらない」ものだといえます。
その一方で、明朝体の一番細いウェイト(太さ)が「3」(数字が大きいほど太い)ですが、これは本文に使用する書体としてはやや太い。商業誌であれば、迷わずW2を購入して使用するべきところです。その意味では、やはり「同人誌レベル」だといえます(W3を本文として使用するのが間違いというわけではありません)。
……というように、どこからが「商業誌並み」といえるのか、一概にいえないので、まあ、同人誌であればとりあえず制作者自身が満足すればそれでOKなのかなぁ、という気がします。
ちなみに、上記のヒラギノ書体はWindowsでも使えますから(購入する必要がありますが)、環境さえ整えれば、今回、私がやろうとしていることは、Windowsでも問題なくできます。

*1:ファウスト」の組版にも使用されているレイアウトソフト

*2:現在の商業印刷でもっともシェアの大きいフォントメーカー