清涼院流水『カーニバル 一輪の花』

清涼院流水はいかにも典型的な非人称の話者による三人称の記述をやめて、講談風に露骨に話者が前面に出てくる形で書いたほうがおもしろくなるんじゃないだろうか、と思った。
巻末の特別付録に収録されているエピソードN「あえて書かないという方法」のような方法論を自覚しているんだったら、なおさら。
率直にいって、登場人物が普通にしゃべったり行動したり考えたりしている場面がもっともつまらない。どうせなら、そこも直接的には「あえて書かない」ようにすればいいのに。