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稲生平太郎『アムネジア』その2

アムネジア作者: 稲生平太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (40件) を見るその1はこちら→id:helioterrorism:20060206:1139155877読んだばかりだけど再読した。初読のときと同様、と…

稲生平太郎『アムネジア』

アムネジア作者: 稲生平太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (40件) を見るジュブナイルホラーの傑作『アクアリウムの夜』の著者による新作長編。 第III部第2節までは「傑作!」と思…

西尾維新『ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い』

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,take出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/08メディア: 新書購入: 3人 クリック: 118回この商品を含むブログ (505件) を見る〈戯言シリーズ〉完結編。 でも、シリーズのなか…

小川勝己『ロマンティスト狂い咲き』

ロマンティスト狂い咲き (ハヤカワ・ミステリワールド)作者: 小川勝己出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/07/21メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る久々の長編作品。出た買った読んだ。 ……えーと、次の作品を期待してます…

ディーン・R・クーンツ『ライトニング』(野村芳夫訳)

ライトニング (文春文庫)作者: ディーン・R・クーンツ,野村芳夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1989/10メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (14件) を見る新刊『サイレント・アイズ』を購入して、新作を読む前に久々に旧作である本書を読み…

桜庭一樹『荒野の恋』第一部

荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)作者: 桜庭一樹,ミギー出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2005/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 44回この商品を含むブログ (185件) を見る単純な読後の感想はといえば、おもしろかった。 以下は…

津原泰水『悪い男』(原案・脚本キム・ギドク)

悪い男作者: 津原泰水,キム・ギドク(原案・脚本)出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2005/05/26メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (11件) を見る津原泰水による映画『悪い男』(キム・ギドク監督)のノベライズ。映画は未見。 うーん。あ…

高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』

ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/05/02メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (82件) を見る読了。 宮沢賢治の作品からタイトルを拝借して(とは限らないんだけど)書かれた24篇の短…

高橋源一郎『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』

ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/05/02メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (82件) を見る函入りで、税込み2,940円。とりあえずB-8「プリオシン海岸」まで読んだけど、これまでの…

舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日」第一部(「新潮」5月号掲載)

うんうん。これはおもしろい。留保つきではなくて。 『九十九十九』「好き好き大好き超愛してる。」のような複数の可能性としての「物語」をそのまま複数の「物語」として「メタ」な手法で書いた作品から、「みんな元気。」のような無理矢理ではあるけれど「…

小川勝己『あなたまにあ』

あなたまにあ作者: 小川勝己出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2004/10メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (13件) を見る小川勝己3冊目の短編集。 カバーをはずした表紙が素敵です。 アンチ・ラブストーリーの「聖夜」と、ダメヤクザを…

いがらしみきお『Sink』1〜2巻

Sink 1 (バンブー・コミックス)作者: いがらしみきお出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2002/04/01メディア: コミック購入: 2人 クリック: 83回この商品を含むブログ (52件) を見るSink 2 (バンブー・コミックス)作者: いがらしみきお出版社/メーカー: 竹書房…

高橋源一郎『性交と恋愛にまつわるいくつかの物語』

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2005/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (49件) を見る買った。読んだ。今年初の読了本。 「小説トリッパー」に掲載された中短編5作…

丹生谷貴志『三島由紀夫とフーコー〈不在〉の思考』

三島由紀夫とフーコー“不在”の思考作者: 丹生谷貴志出版社/メーカー: 青土社発売日: 2004/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (11件) を見る買ってきた。ひとまず序章の「『何もない』があらわれる」を読む。何度も書いてい…

舞城王太郎「夜中に井戸がやってくる。」(「ファウスト」Vol.4収録)

ようやく読んだ。 最近の舞城作品と比較すると、びっくりするほど「普通」の小説。ここでいう「普通」というのは、 超常的な要素が皆無 ストーリーが明確 という程度の意味。しかも、特集タイトルである「ミステリーのフロントライン」を意識してか、謎解き…

萩尾望都いろいろ

冬コミの打ち上げで話題に出たときに、まったく細部が思い出せずに愕然としたので、「11人いる!」を再読して、ついでに「続・11人いる! 東の地平 西の永遠」も読み直して、1巻を読んだまま続刊を読んでいなかった『バルバラ異界』の1〜3巻を通し読みした。…

法月綸太郎『生首に聞いてみろ』

生首に聞いてみろ作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/09メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログ (229件) を見る久しぶりの読了本。堪能しました。 この作品でもっとも「うまい!」と思った点について書こうと思っていたの…

「ファウスト」Vol.4

ファウストvol4 (講談社 Mook)作者: 乙一,北山猛邦,佐藤友哉,滝本竜彦,西尾維新,浦賀和宏,舞城王太郎,東浩紀,渡辺浩弐,森川嘉一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/12/24メディア: ムック クリック: 16回この商品を含むブログ (116件) を見る「ファウス…

蔭山浩一「長すぎる日はつもりつもって」(「Juniper1」掲載)

http://www.h6.dion.ne.jp/~robo/ 文学フリマで買った本を読もうと思って、本を開き、作品の冒頭の数行を読んで、気に入れば最後まで読む……ということをやって、最後まで読んだのがこの作品。 一人称の視点人物が中学生時代を回想して語るという形式の作品で…

舞城王太郎『みんな元気。』

みんな元気。作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/10/28メディア: 単行本 クリック: 35回この商品を含むブログ (198件) を見る購入。 「新潮」に掲載された「みんな元気。」「我が家のトトロ」「矢を止める五羽の梔鳥」「スクールアタック…

佐藤哲也『熱帯』

熱帯作者: 佐藤哲也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/08/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (52件) を見るようやく読みはじめた。うわあ、相変わらず叙情に流れず叙事に徹する語り口が素晴らしい。馬鹿馬鹿しくて最高!…

すが秀実・渡部直己『新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド』

新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド作者: スガ秀実,渡部直己出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2004/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 30回この商品を含むブログ (40件) を見るひととおり読了。 〈ブックガイド篇〉は、タイトル、書き…

古川日出男『ボディ・アンド・ソウル』ISBN:4575235040

ちょっとずつ読んでいる。ゆるい一人称の語りがおもしろい。 きわめて個人的な話なんですが、今書いている小説で「胸が痛む」という表現を比喩的な心理表現と思わせておいて、実は肉体的に痛かったのでした、という小ネタを使っていたんだけど、この本の中に…

麻耶雄嵩『鴉』

結局、読み終えた。後半はおもしろかったし、そのおもしろさのために必要なのもわかるけど、前半が退屈なんだよなぁ。 (特に前半は)情報が伝聞ばかりなので、物語の見通しがひどく悪い。というか、ただはぐらかされているだけのように感じてしまう。いや、…

麻耶雄嵩『鴉』ISBN:4877289402

『螢』がわりとおもしろかったので、以前から再読しようと思いつつ果たせていなかった『鴉』を読み直している。でも、なかなか読み進められない。初読のときもあまり印象はよくなくて、再読すればまた違うかも、という期待を抱いていたんだけど、やっぱりあ…

麻耶雄嵩『螢』ISBN:434400664X

読了。 おお、「新本格」っぽい! しかも、「館もの」。 悲壮感に満ちた物語であるにもかかわらず、どことなく馬鹿馬鹿しい雰囲気が漂っているのが麻耶雄嵩らしい。 割とおさまりのよい作品で、なかなかおもしろかったです。

津原泰水『綺譚集』ISBN:4087747034

読了。堪能しました。 例えば生と死。あるいは現実と非現実。それら不連続なはずのものが、津原泰水の作品のなかではなめらかに繋がっている。記号としての境界線は慎重に排除されている。 現実、妄想、回想、幻想……そういった、異なるレベルに属するはずの…

ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』2巻

最近、内容とは別のところで話題になっているこの作品ですが、まあ、それはさておき。 三星戦決着の第2巻。やっぱりおもしろい。 買ってきた2巻を読み終えて、1巻を読み直して、また2巻を読み返してしまった。 スポーツだから、もちろん運や確率の要素はある…

津原泰水『綺譚集』ISBN:4087747034

をまったりと読んでいます。 余談ですが、私は津原泰水の作品を読んでいると松浦寿輝の作品を、松浦寿輝の作品を読んでいると津原泰水の作品を、何となく思い出して比較してしまいます。そのうち、両者の作品の類似と差異をじっくりと読み比べてみたいなぁ、…

森達也『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』

読了。 森達也の作品(映像、文章問わず)に触れるのはこれが初めて。 とりあえず、森達也の他の作品(まずは『A』と『A2』あたり)と、「下山事件」の関連書に手を伸ばしてみようかという気になっています。