殊能将之『子どもの王様』

あまりに眠いので、もう寝ようと思っていたんだけど、結局、最後まで読んでしまった。
同じ団地に住むショウタの親友トモヤは、ほとんど学校にも行かず、本ばかり読んでいて、よく途方もないつくり話をショウタに語って聞かせる。ある日、トモヤが語ったのは、子どもをつかまえて召使いにするという「子どもの王様」の話だった。そして、下校途中、ショウタは「子どもの王様」そっくりな男を目撃する……。
ちょっとせつない「いい話」。でも、かなりブラック。上にも書いたとおり、主人公をはじめとする小学生たちの日常や言動が楽しく描かれているし、展開に驚きは少ないけど、逆に物語の構成の簡潔さが魅力になっていると思う。おもしろかった。