かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド

まだ2冊しか読んでいない段階で書くのもどうかと思うんですが、良いシリーズだなぁと思います。飾ってよし、触ってよし、読んでよし(かどうかは作品にもよるかも)で、まあ、全作購入にまでは至らないかもしれませんが、半分くらいは買いそうな気がします。現在、手元にあるのは先日感想を書いた竹本健治殊能将之と、あとはこれから読む小野不由美『くらのかみ』の3冊。既刊では他に、島田荘司有栖川有栖は買うつもりです。
本は函入りですが、背側からも小口側からも本が取り出せるつくりになっています。函はスミ+特色の2色刷り。表紙の面は直径50mmくらいに丸くくり抜かれていて、そこから本体の表紙イラストが見えるようになっています。
本の背は布ばりで、それぞれ表1、表4の1/5くらいまで回り込んでいます。布の色は函の特色と同じ(ただし私が買ったなかでは竹本健治『闇のなかの赤い馬』だけは例外で、スミ+白の組み合わせで、布の色は黒になっている)で、書名、著者名、ミステリーランドのロゴなどが箔押しされています。
表紙のイラストは4色刷り。つるつるした光沢のある紙に刷られています。この感触がとても気持ちがよいです。函をつけた状態で表紙側の面をなでると、艶のない函の紙の落ち着いた感触のなかに、不意に光沢のある紙のひんやりと硬くてなめらかな質感が指先に触れて、ちょっとびっくりします。
函から本を抜き出すと、まず触れるのは背の布の部分で、函の紙とはまた違った質感の、摩擦でしっかりと指先を捉える布のざらざらした感触があって、すっかり本が函から出てくると、表紙のつるつるした紙の感触が指先と手のひらに触れて、その感触のコントラストに、またちょっとびっくりしてしまいます。
さらに、表紙と、色鮮やかな幾何学模様で飾られた見返しのマットな紙の感触も同様で、本を持って開く手の表紙に添えた外側の4本の指先と、内側に差し入れた親指の先に、まったく違った感触を伝えて楽しませてくれます。
……というわけで、このシリーズにかんしては、購入したうえで思う存分なで回すことをおすすめします。