大蟻食の生活と意見

佐藤亜紀のサイト「大蟻食の生活と意見」の「これまでのお話」より、興味深い記述が2つあったのでピックアップ(↑この文章、わりと最近の更新だと思ったのだけれど、内容からしてアップされてから随分と時間が経ってる? 以前にアンテナであがってきたときにチェック漏れしてたのかな……。というわけで、もしかしたら今さらな話題かもしれませんがご容赦を)。

『雲雀』出ました。まさか出せるとは思っていなかったので、少しびっくりしました。試しにぐぐると、随分あちこちの図書館に入っているようで、ロットの小さい作家には有難い限り。図書館の本が三回転すればそれで三冊分読まれたことになるので有難い、という作家がいることも忘れてほしくはないですな。刊行後半年は貸出禁止、ってのも、私にはよく判らない。それをやられると初期ロットの動きが鈍って困る、って人も、世の中におります。あんな規制を歓迎するのは、書き飛ばしジャンクを投げ売りしている大部数作家だけでは?

「新刊書店での売り上げ」よりも、「売り上げに関係なくとも作品が読まれる」ことと、「図書館の購入による売り上げ」のほうを重視するという立場ですね。

『雲雀』収録の四編のうち、二編は『天使』と平行して(一編は最初の章と、もう一編は最後の章と)書かれています。続き、とか、番外編、とか言うよりは、裏と表、だとお考え下さい。何故か最初からそういう形で(一貫した時間の流れを示す長編と、より長い時間の流れを暗示する複数の断片)構想され、ただ、短編じゃ出版は不可能だろうと考えて編集者にも見せていませんでした。おそらく去年の春、零下五度のウィーンでアスパラを食べながらワインを飲んで軽く酔っぱらっていなければ、今でもディスクに入ったままになっていたと思います。

改めて日記には書いていませんでしたが、すでに『雲雀』(ISBN:4163227504)は再読済み。「花嫁」と「雲雀」が特におもしろかった。
とにかく出版されてよかった! と思います。