津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』

ルピナス探偵団の当惑 (ミステリー・リーグ)
読了。
津原やすみ名義で発表された2篇をリライトし、新たに書き下ろし1篇をくわえた連作。やはり、というべきか、書き下ろしの「大女優の右手」が一番おもしろかった。特に伏線の張り方と回収方法が絶妙。解決シーンでいちいち登場人物が伏線描写を回想したりしないスマートな語り口が好ましい。
例:(ネタバレ反転)→座席が人気のない端っこで、客の入りが八分から九分。←(ここまで)