子どものころの読書

ミステリーランド」シリーズを読んだせいか、子どものころの読書についてぼんやりと記憶をたどっているうちに、そういえば、小学三年生か四年生のころだったと思うんだけど、児童向けのホラーというかSFっぽい短編集(もしかしたら、アンソロジーだったかも)を読んだことがあって、それまで1冊の本に1つの作品、というシンプルな形の本しか読んだことがなかったので、1冊の本に複数の作品が収録されているということを理解できなくて、そのうえ偶然、違う作品に同じ名前(あるいは似た名前)の登場人物がいたということもあって、まったく関係のない作品をひと続きの物語として読んでしまい、意味がわからず頭を悩ませたことを思い出した。それが短編集であることを理解したのはどれくらい後だっただろうか。
その本に収録されていた作品のひとつは、ある日、突然、世界中の人間が記憶を失って子どものようになってしまうという話で、料理もできないので店に並んでいるものをそのまま食べるんだけど、肉屋に並んでいるものは、赤い生肉はまずくて、ピンク色のハムのほうがおいしいので、群れて生活している人間のなかでは、ピンク色の肌をした女性の肉がおいしいのではないか、ということを主人公が考えていたりして、あと、「こんにちは赤ちゃん」の歌が寝起きしている場所で延々とかかっている、というような内容を何となく覚えているのだけど、書名や作品名はまったく思い出せないのだった。
できれば読み直してみたいので、その作品に心当たりのある方はお知らせいただければ幸いです。