2004-05-07から1日間の記事一覧

舞城王太郎「矢を止める五羽の梔鳥」(「新潮」6月号掲載)

正直なところ、最近の舞城王太郎の小説は読んでもおもしろいのかそうでないのかよくわからなくて、もやもやした説明しがたい奇妙な感覚が読後に残る。この作品もそうだった。 文体が微妙に変わっていて、ちょっと佐藤友哉っぽい? と感じたんだけど、気のせ…

「図書貸与権」の問題

http://6020.teacup.com/tsuhara/bbs 津原泰水公式サイトの「aquapolis掲示板」で、小林泰三をまじえて「図書貸与権」の問題が議論になっている(というか、まだ「議論」にはなっていなくて、作家側の立場表明が行われている)。 そうか、『ルピナス探偵団の…

佐藤友哉「死体と、」(「新潮」6月号掲載)

ツッコミどころはないけど、さらっと読んで、特に残るものもない。文体、視点の処理、題材、展開、書き出し、結び、などそれぞれ工夫しているのはわかるし、それぞれ工夫の結果としては「悪くない」と思う。強いて問題点をあげれば、描写が弱いということだ…